―― コミュニケーションづくりはどうやって行ったのですか?

梅崎 ライブ授業の「スタディルーム」では、普段の教室と同じで、まずは「名前を呼ぶ」というのがコミュニケーションづくりの第一歩だと思っています。保護者がログインしてきたら、子供の名前を表示してください、とお願いしています。また授業では、先生が一方的に回答を出すのではなく、子どもに「紙にマルかバツか書いて見せて!」と声かけをして、それを画面に映してみたり。それだけでも双方向になりますよね。

竹谷 いきなり授業を始めるのではなく、最初にアクティビティの時間を取っています。「家の中にある赤いものを取ってきてみよう」「きらきらしているものはあるかな?」などお題を出して、皆で見せ合う、などですね。「わーすごい!」「面白いもの持ってきたね」と先生が話しかけると子どもはすごく喜びます。

梅崎 参加型の授業として「自分の何かを見せる」というのは簡単にできるいいコミュニケーションになります。これは指導案として例をいくつも提示しています。いろいろなものが探せるので、自宅からつないでいる、ということがメリットにもなります。

―― そのほかコミュニケーションづくりで工夫していることは?

竹谷 やはり、オンライン上でどうやって子どもたちを承認するかがポイントだと思っています。花まる学習会では、迷路やパズルなど自分で「作問」する経験を大事にしているんですね。それをオンライン上で発表してもらって、他の子や先生に解いてもらう喜びを味わってもらったり。

梅崎 「暗唱チャレンジ」というのがあるんですが、例えば「南総里見八犬伝」の一部を暗唱する課題。近くにおうちの人がいれば、まずは覚えたものを聞いてもらおう、と促す。その後に「じゃあみんなの前で発表してくれる人!」と聞くと、みんな「やりたい、やりたい」と手があがる。これは教室でやるときよりも手が上がる率が高くなったように思います。教室だとおとなしい子も堂々と声を出したりといった場面がありました。

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