お子様に大人気の玉子のお寿司
お子様に大人気の玉子のお寿司

 全国で緊急事態宣言が解除され、外食のお店にも徐々にお客さまが戻ってきていただいています。くら寿司でも、お客さまに安心してご来店いただけるよう、感染予防に最大限の配慮をした上で営業しています。

【くら寿司社員が選んだコスパ最強のネタとは?】

 突然ですが、皆さんはお寿司屋さんに行った時に最初に食べるネタは何でしょうか? 「そんなの好きなものからに決まってるやん」って言う方が多いのでしょうか。

 マルハニチロの「回転寿司に関する消費者実態調査 2020」によると、最初に食べるネタの1位はサーモンで、マグロ(赤身)、中トロがそれに続いています。

 好きなネタベスト3も全く同じですので、やっぱり皆さん好きなものから食べられるんですね。

 ところで皆さんは、「寿司屋に行ったらまずは玉子焼きから食べるのが通(ツウ)!」って言われたことはありませんか?

 筆者も若い頃、当時の会社の上司にお寿司屋さんに連れて行ってもらった時に聞かされた記憶があります。

「なんでお寿司屋さんなのにあえて玉子焼きを?」と不思議がる筆者に対して上司が言ったのは、以下のようなことでした。

 寿司屋の玉子焼きは、単なる玉子焼きとは違う。卵にその店自慢の出汁を加えて砂糖や醤油で味を調えて焼く、その店の味のベースや技量がわかるネタなんや。だから玉子焼きを食べると、大体その店のレベルがわかるので、通(ツウ)は最初に食べてみるんや。

 と言われても、当時の筆者には出汁がきいてておいしいなぁ、ということくらいしかわかりませんでしたが……。

 余談になりますが、たまごには、「卵」と「玉子」の二つの漢字がありますが、皆さんは普段使い分けていますか?

 厳密なルールがあるわけではないようですが、一般的には、生のものを「卵」、調理されたものを「玉子」と書くことが多いようです。確かに“TKG”と略されるご飯は、「卵かけご飯」であって、「玉子かけご飯」では違和感がありますね。

 以前も書きましたが、玉子のお寿司は、今の形のにぎり寿司が誕生した江戸時代からある伝統的なネタなんです。当時はまだ冷蔵庫もなかったため、時化などで漁に出られないとネタとなる魚がたちまち不足してしまいます。そこで、当時は貴重品であった卵をネタに加えておくことで、お客さんも「それなら玉子でも食べておくか」となり、お客さんの不満を防いだということでしょうか。

著者プロフィールを見る
岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

岡本浩之の記事一覧はこちら
次のページ
シメに食べるネタは…