新型コロナウイルス感染拡大のため、さまざまな制限下で暮らす人々にストレスがかかっている。ウイルスへの不安や恐怖は断絶を起こしかねない(撮影/写真部・高野楓菜、イラスト:kucci)
新型コロナウイルス感染拡大のため、さまざまな制限下で暮らす人々にストレスがかかっている。ウイルスへの不安や恐怖は断絶を起こしかねない(撮影/写真部・高野楓菜、イラスト:kucci)
あなたのストレスの原因は?(AERA 2020年6月1日号より)
あなたのストレスの原因は?(AERA 2020年6月1日号より)

 国内での感染拡大から2カ月以上、第1波こそ収まりつつあるものの、自粛続きの生活がさまざまなストレスを引き起こしている。新型コロナウイルスへの不安や恐怖、差別や偏見に心を侵食されないためにはどうすべきか。AERA 2020年6月1日号から。

【アンケート結果公開】あなたのストレスの原因は?

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「家族で話し合って、スーパーに行くのは5日に1回にしたの」

 そんな話を友人から聞いてどきっとした、と言うのは神奈川県在住の40代女性。感染リスクを考え混雑する時間帯は避けているという友人は、まさに自粛優等生だ。

 一方、女性の家では大人4人が在宅で過ごしている。一気に買いだめすることもできず、2日に1回はスーパーへ。「意識低いと思われちゃうかな」という心配がとっさに頭を駆け巡った。

「コロナに対して危機感をそれぞれ持っていても、温度差があり、取り組み方も考え方も異なります。最近は当たり障りのないことばかり言うように気を使っていて、疲れました」

 新型コロナウイルスの感染拡大から2カ月以上経った今、大多数の地域では緊急事態宣言が解除され、首都圏でも報告される感染者数は減少してきた。だが、感染そのもののリスクに加え、私たちの生活を脅かしているのが、さまざまな形で顕著になってきた「ストレス」だ。

 4月末から5月初旬にかけてAERAでアンケートを実施したところ、9割を超える人が「新型コロナウイルスによる生活の変化が原因で、ストレスを感じることがある」と回答した。

 原因は回答が多かった順に、日常生活、仕事・働き方、報道・情報、行政、夫婦・家族関係、家族以外の対人関係、子育て。複数要因をあげる人も多かった。

 都内で働く30代女性は、2歳の娘と夫とマンション暮らし。

「あのスーパーで出たんだって」
「あっちの保育園は親がコロナにかかって休園になったらしい」

 近隣のコロナ感染のうわさがママ友ネットワークで回ってくるたび、情報の早さにおののいていた。

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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