僕は、傘の忘れ物に関してはもう自分をとがめないことにしました。いくら気をつけて、例えば冷蔵庫に「傘を忘れないぞ」って貼っておいても、絶対抜け落ちて定期的に忘れてしまう。極端な集中力を持っている人たちにはそういうことがある気がします。
それについて20%ぐらいは反省するんだけど、「反省と後悔」をやりすぎるとその人の良さがなくなってしまうと思うんです。例えばどこか間抜けな部分を持っている人なら、初対面の相手に緊張させないとか、良さが発揮される場面もある。反省と後悔をやりすぎると、いい細菌やいい微生物みたいなものまで抹殺してしまう気がして。だから反省と後悔はやりすぎなくていいです。反省は20%まで。
仕事でも、「今日中にこの作業をやるのが当たり前」じゃなくて「これをやる私、えらい」という文脈で過ごしてください。これは僕が生きていくテクニックでもあるんです。ToDoリストだと「やって当たり前」の響きがありますが、そうじゃなく「これをやったらえらいリスト」を作りましょう。
やりすぎてダウンしてしまう傾向がある人は、ミスなく失敗せずにやらなきゃいけないっていうプレッシャーを常に抱えています。それが強くなりすぎて首とか肩がギューッと縮こまると、余計に緊張感も増してきちゃう。自分で自分を褒めて調子に乗せられれば、自分にとっても他人にとってもいいパフォーマンスが発揮できるようになります。
大丈夫です。やっていけます。「今はこういうことの学習期なんだろうな」と思って、やってみてください。
※AERA 2020年5月25日号