菅:僕は、貧困から福祉や教育に興味が広がったので、高2の時に大阪大学で開かれた「国際公共政策コンファレンス」に同級生と参加しました。高校生のプレゼンを聞き、大学の先生が講評をしてくれるもので、教育バウチャー制度の実現可能性について2カ月かけて準備しました。

 英語は受験だけでなく、将来絶対必要になるので、高2で英検の準1級を取得。高3で1級の1次試験に合格しました。

慶應女子:私にとって一番大きかったのは留学体験です。フランスでは高校生も政治問題を議論するので、私も政治に興味を持つようになりました。

 入試では2千字の志望理由書の中で、自分が研究したいテーマも書きますが、私はLGBTQを選びました。フランスでの実体験がベースです。日本に比べ、LGBTQへの理解が進んでいるのに、ゲイの友人がいじめを受けているのを目の当たりにして衝撃を受けました。

江口:「AO入試対策に何をするべきか」とよく聞かれますが、AOのためにというより、目の前の高校生活を充実させることが一番大切です。

 志望理由書には、これまでの活動を振り返りながら未来の青写真を描き、そこに向けて今の自分には何が足りず、ギャップを埋めるために大学をどう使い倒そうとしているのかを書きます。何かに懸命に取り組み、掘り下げた経験がないと、中身が薄くなってしまいます。

 大学側は、青写真をきちんと実現できるだけの足腰の強さがあるのかを、小論文や評定平均、英語民間試験のスコアなどで確かめます。高校スタート時点から、しっかり勉強しておくことも大事です。

(構成/編集部・石臥薫子)

AERA 2020年5月25日号より抜粋