実は今、同様の悩みが全国の母親から聞かれるのだ。今回、「AERA with Kids」の読者にこのゴールデンウイーク明けに出た課題をいろいろ見せてもらった。

ある3年生の例。
(1日ごとに時間割とやることが指定されている)
・国語/漢字ドリル(○~○ページ)
・算数/計算ドリル○ページ、間違ったものはノートにやりなおそう 
・理科/教科書をみながらプリントを仕上げよう 
・図工/教科書をみながら、ねんどで「自分の住みたいまち」をつくろう

別の学校の5年生の例
(時間割はないが、科目ごとに課題が出される)
・国語/漢字ドリル(○~○ページ)
・算数/算数プリント○枚(答え合わせはおうちの人にやってもらおう)
・社会/プリント○枚 ・都道府県・県庁所在地・世界の大陸・海洋を覚えているか確認 ・資料集を読む(○~○ページ)
・理科/教科書を見て、植物が発芽する様子を絵に書いてみよう
・音楽/教科書を見て、リコーダーを吹いてみよう
・図工/プリントの課題を絵の具で書いてみよう 等

 といった具合に、どの学校もとにかくプリントベースだ(課題に、Eテレを見る、○○の動画を見る、と指定したものもあったが……)。

「何もやっていない」状況を脱却するための苦肉の策ともいえる。

 もちろん、先生方もこのプリント作成には多くの時間を割いているだろう。また、この課題を配るために、先生がひとりひとり家庭訪問しているところもあるというし、各家庭にフォローの電話を入れているところも多い。先生にとってはたいへんな労力である。

 前出のめぐみさんも課題の受け渡しのときに、

「紙教材だけもらっても、なかなかやる気が出ない。時間を決めても、その通りにいかない。学校はまわりに友達がいるから、できている部分が大きかったように思います」

 と訴えたそうだが、担任の先生にはそれを根本的に解決する術はない。「そうですよね」とうなずき、提出物のドリルに励ましのコメントを書いてくれて、その場は終わったという。

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