私も初めて書記になった年は、PTAの理不尽さに怒っていました。総会が終わってすぐ役員の名簿作りをしなければならず、大型連休の間も学校に通う羽目になってしまい、「こんなに大変だなんて聞いてないよ!」と。

 でも、夏祭りの後に喜びを分かち合ったり、つらい思いもするんだけれど、終わった後は「楽しくてよかったね!」となる。部活みたいだな、と思いました。やり遂げた後の達成感は実際あるんですね。

──忘年会の帰り道、仲のいいお母さんと語り合うシーンには、ほっこりしました。

 あれも本当にあった会話です。忘年会の後、あるお母さんが「私、子ども生んでから夜に外出したの初めて」とか「私は(役員を)やってよかったような気がしてるの」と言っていて。ああ、こういう人もいるんだなと思いました。

(ライター・大塚玲子)

AERA 2020年5月18日号より抜粋