でも、もしいまこれを言わなかったら一生後悔してしまうという葛藤があって。各方面に最大限の配慮をしながら、考えられるぎりぎりのところで発言させていただきました。

――慈善家としても知られている。新型コロナ関連では、自宅で食事を用意できない高齢者などへ食事を届けるサービス支援のため「St.Vincent Meals on Wheels」へ2万4千ドル、「COVID-19救済基金」へ10万ドル、また日本国内へ向けては、国立国際医療研究センターへ1千万円を寄付したほか、世界各地で発生している自然災害への支援なども積極的に行っている。チャリティーをするようになったきっかけは何だったのか。

 僕は10歳のときに父親を自殺で亡くしていて母子家庭で育ちました。そういう経験から、孤児院に入っている子どもたちを少しでも元気づけてあげようと、2009年の海外公演のときにその子たちを招待したんですね。そうしたら、すごく喜んでくれて。

 また、X JAPANのメンバーだったHIDEが、難病を患っていた貴志真由子ちゃんという女の子をサポートしていたのですが、真由子ちゃんの闘病中にHIDEは亡くなってしまって、僕が彼の遺志を引き継ぐことになった。そういう中で、チャリティーというものを自分の人生の一環としてやっていこうと考えるようになりました。

 僕は、なんて言うか……これまでずいぶん破滅的な人生を送ってきたので、「自分のことなんてどうだっていいや」みたいな、自殺願望のようなものがあるんです。父親がそういう亡くなり方をしていることの後遺症なのかもしれないですけど、ときどき自分が生きている意味がわからなくなることがある。でも、チャリティー活動をすることによって、自分がこの世に存在することの意味を感じることができる。だから、自分に対しての助けにもなっているんです。

(構成/編集部・藤井直樹)

AERA 2020年5月4日-11日号より抜粋