その上で、不登校の子がリスタートするためには、「もう自分は大丈夫」という自己肯定感を育てることが大切です。学生にとっては、成績を上げることが自信に直結することも多いようで、「とにかく成績を上げてしまう」、というのも一つの手です。

 しかし、「親が勉強しなさいと言えば勉強を始める子」なんていません。ですから、体得して一人でできるようになるまでは、第三者を入れて心理的なケアや目標設定、モチベーション管理をし、効率の良い「各教科の習得の仕方」を教え、並走する必要があると思います。

 私自身のこれからの目標としては、不登校の生徒の成績や自己肯定感を短期間で上げるだけでなく、親御さんの「家庭内での不登校生徒をどうサポートしていくか」についてもケアしていける、総合的なパーソナルトレーナーになりたいと思っています。

 今、このような状況で、母親の役割の大きさを再認識しています。不登校の生徒の親御さんたちは、ある日唐突にこのような日常が始まり、それでも子供に心を寄せながら対応してこられたと思うと、頭の下がる思いです。

 まずは目の前にいる娘、そして生徒たちと真剣に向き合い、多くの笑顔を届けられるように、一緒に成長していきたいと思っています。(構成=AERA with Kids編集部)

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AERA編集部
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