●ベトナム代表のキャンプ地として五輪を身近に


井田千尋さん(36)山口県下松市職員

 山口県下松市は幅広い年代を中心にバドミントンがとても盛んで、隣接する周南市を拠点にする実業団チーム「ACT SAIKYO」の協力を得てバドミントンのベトナム代表選手の事前キャンプを受け入れるホストタウン事業を行っています。練習場所となる体育館には、2億6750万円をかけて70台余りの冷暖房設備を設置しました。空調の整備目的には防災も含まれていて、災害時に避難所となったときにも有効活用できます。これまでに、ベトナム選手が市内の学校を訪問し、バドミントンやダーカウと呼ばれるベトナムの伝統的なスポーツ体験を通じて交流したほか、学校給食でのベトナムの献立の提供、近くの徳山大学と協働でベトナムのことを市民に知ってもらう取り組みなどを進めています。自国開催のオリンピックですが、山口からは距離も離れ、別の国で開催されるような印象を持つ市民も少なくない。オリンピックが1年延期されたことで事前キャンプに来ていただけるチャンスが増えると思いますし、オリンピック機運の盛り上げのためにいろいろと仕掛けていきたいと思っています。

(編集部・深澤友紀)

AERA 2020年5月4日号-11日号