一方、大学の教育現場でも3月半ばからオンライン授業を行うところが相次いでいる。

 ソウル市内の大学院で教える女性講師(39)の場合、受講生が6人の講義はリアルタイムの画面上の対面で、32人が参加する講義はサーバーの容量も考えて録画した講義を学生が自由に視聴できるスタイルでそれぞれ行っている。オンライン授業ではどうしても討論などが十分できず、一部の学生からは「授業料を減額してほしい」という不満の声も出ているという。

 また、学生の評価も難しい。仲間うちでは、対面授業の最初に課題を与え、講義時間中に論文を書かせて提出させる講師もいるという。

 小6の子どもを持つ韓国政府関係者はオンライン授業について「何もやらないよりはマシだが、成功したかどうかを判断するのはまだ早すぎる」と語った。(朝日新聞編集委員・牧野愛博)

AERA 2020年4月27日号より抜粋