授業はどう進めるのか。

 オンライン授業では主に、(1)教師と生徒がリアルタイムで対面する授業(2)テレビの教育放送EBSを使った授業(3)教師が作成した課題にオンライン上でアクセスして学習する授業──の3種類が想定されてきた。

 ただ、オンライン授業の環境がある程度整っていたとはいえ、ドタバタで決まったため、準備がなかなか追いつかない。

 このうち、小中学校では主に(2)を、高校では(3)を中心にしたオンライン授業を行うことになった。リアルタイムのオンライン対面授業を行うにはデータ容量に不安がある。オンライン用の課題作成に慣れていない教師も多いからだ。小1と小2の場合は、40分間の授業をオンライン上で集中して視聴するのは難しいと判断。テレビでEBS放送を視聴する方式の授業を進める方針も明確にした。

 こうした方針のもと、9日から中3と高3を対象のオンライン授業が始まった。実際の教育現場にいる教師たちはどのような感想をもったのだろう。ソウル近郊、忠清南道天安(チュンチョンナムドチョナン)市の中学校で国語を教える都玉順(トオクスン)さん(42)に電話で状況を聞いてみた。

 都さんによれば、中学校の授業は午前9時ごろから始まる。45分間の授業を午前に4科目、昼食を挟んで午後1時ごろから更に2~3科目をこなす。9日のオンライン授業では、EBS放送を視聴するスタイルが多かったため、混乱が起きた。

 韓国紙・朝鮮日報によれば、9日、EBS放送の映像を利用した高3・中3の生徒は全体約86万人のうち3割にあたる約27万人だったが、接続不良で画面が映らないケースが続出。16日からの高1~2などの授業でも各地で接続障害などが発生した。

 都さんによれば、アクセスが集中して接続障害を起こしたとみられ、教師たちの多くはユーチューブにいったんダウンロードして、そこからEBS放送を流すなどして問題を解決したという。

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