すべての職種に当てはまるわけではないが、リアルに人と接することなく仕事を進めるのも不可能ではない時代だ。むしろそのほうが捗(はかど)ると感じる人もいるだろう。大切なのは、それぞれのモチベーション向上につながることだ。

 Facebookも、今回のパンデミックでオフィスを閉鎖。日ごろからリモートワークなど柔軟な働き方を取り入れている同社だが、長期間の対応には不安もあったという。そこで、管理職が意識すべきことや仕事と生活のバランスのとり方などのTIPSを新たに発表。それが社員のつながりを維持した。

 同社広報の嶋田容子さんは言う。

「週1だったオンラインミーティングの頻度を増やしました。ミーティングの目的を明確にすることが大切で、朝はコーヒータイム、金曜夕方はハッピーアワーとしてチャットをする、それも目的です。リモートワークを通じて、従業員の会社への意識もポジティブに変わったように感じています」

 Googleも、リモートワーク中に意識すべき8カ条を掲げながら、自宅で仕事に励んでいるという。そこにはパジャマから着替え、身だしなみを整えるといった一見、テクノロジーの巨人とは思えない項目も並ぶ。同社広報によると、「今だからこそ、当たり前のことが重要と考えています」。

 これらサービスや働き方の意識がポスト・コロナ期に継続できるかが問われる。

●Googleが心がけるTips

リモートワーク 八つのこと
1.自宅内の仕事をする場所、しない場所を明確に
2.ビデオ会議をうまく活用する
3.PCでは複数タブを開かず、一つのタブで仕事をする習慣
4.仕事へ向かう気分を整える
5.仕事が捗るゴールデンタイムを意識したスケジュールを組む
6.翌日のやるべきことなど短期、中長期のto doリストを作る
7.「やりたかったこと」を終わらせる
8.相手の環境に思いやりを持つ

ビデオ会議 六つのこと
1.インターネット環境を整える。移動中の参加は音声をミュートに
2.仕事へ行くときと同じ服装で
3.事前にツールにアクセスし、接続や使い方を確認する
4.プレゼン資料を用意し、うまく表示されるかをチェック
5.ビデオ会議に集中する。
6.会議中はメールチェックなど、ほかのことはしない
7.議題を前もって共有しておく

(編集部・福井しほ)

AERA 2020年4月20日号より抜粋

【お知らせ】
AERAでは、テレワークに関するアンケートを実施。在宅勤務ができず、出社していると回答した400人超の声を集め、取材しました。4月27日号(20日発売)に掲載します。

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福井しほ

福井しほ

大阪生まれ、大阪育ち。

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