スマホひとつあれば、ある程度の仕事ができる時代。だからこそ貴重なデータを漏らさないよう、セキュリティー意識が必要だ(撮影/写真部・高野楓菜)
スマホひとつあれば、ある程度の仕事ができる時代。だからこそ貴重なデータを漏らさないよう、セキュリティー意識が必要だ(撮影/写真部・高野楓菜)
AERA 2020年4月20日号より
AERA 2020年4月20日号より
AERA 2020年4月20日号より
AERA 2020年4月20日号より

 コロナ騒動下で注目されているオンラインサービスやチャットツール。顔を合わせてコミュニケーションが取れなくなった今、その活用方法が注目されている。コミュニケーションツール「Slack(スラック)」、オンラインでテレビ会議などができる「Zoom(ズーム)」、クラウドサービス「Dropbox(ドロップボックス)」など、オンラインツールとの上手な付き合い方を特集したAERA2020年4月20日号の記事を紹介する。

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 コロナ禍でユーザーが増えたのはSlackだけではない。複数人と同時にオンラインでテレビ会議ができる「Zoom」は、昨年12月に最大1千万人ほどだった1日の利用者数が、今年3月末に2億人を突破した。

 なぜZoomが支持されるのか。理由の一つが、Slack同様、手軽さだ。

 すでにZoomを使っているユーザーが、テレビ会議の参加者に招待用のURLを送るだけ。招待された側はアカウントの作成をせずに利用できる。このハードルの低さが、一気に広まった要因だ。同社日本法人のカントリーゼネラルマネージャー佐賀文宣さんが言う。

「今後もアカウント登録を必須にするようなことはありません。機能を持たせれば、その分サービスが重くなってしまう」

 会議を“盛り下げる”要素の一つが、動画や音声の乱れだ。在宅勤務ともなれば、参加者それぞれのインターネット環境も異なる。誰かの音声がぶつぶつ途切れるようなことは避けたいが……。

「従来のウェブ会議は二つの会議室をつなぐという発想で作られていました。Zoomでは移動中であっても動画が途切れないので、どんどん顔を出して明るくコミュニケーションしようという世界観なんです」

 開発にあたって何よりも大切にしているのは、ユーザーの声だという。開発者らがリモートで働く人の声を拾いながら、新たな機能を盛り込んできた。その一つが「バーチャル背景」だ。

 うしろに家族などが映り込んでは、集中して自宅から働くことができない──そんな声があったという。バーチャル背景は、AIによって参加者だけがくりぬかれるので家族や部屋を見られる心配もない。場所を選ばずにテレビ会議できるのがウリだ。こうした細やかな仕組みづくりがユーザー数の獲得にもつながっている。話題が話題を呼び、外出を自粛する昨今、Zoomを使って友だちを集めて一献傾ける「Zoom飲み会」なるものも生まれたほどだ。

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福井しほ

福井しほ

大阪生まれ、大阪育ち。

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