娘は中学受験を予定していて、塾のWEB授業とやはりWEBで配信される学校の宿題を日課に勉強している。それでも時間が余るので、読書好きの娘に、文学全集の読破を提案しようと考えている。

 高濱さんは「とても良いと思います」と、評価する。普段の生活ではゆっくりと本を読む時間が取れないが、この時期はそのチャンスだという。

「一流と言われるスポーツ選手や企業の社長、研究者など、すごいと思う人は、濃密な読書体験を持っている。多くの人が読書は良いという認識を持っているが、思っている以上に子どもの成長に与える影響は大きい。休校期間を、本と友だちになるきっかけにしましょう」

 家族みんなで本を読み、感想を話し合ったりするとさらに効果的だ。高濱さんが主宰するスクールFCでも、生徒同士で読んだ本の感想を話し合うことを授業に採り入れているという。

 将棋や囲碁、チェスなどのボードゲームもお勧めだ。

「昔からあるゲームは、年月に磨かれただけあって、良いものが多い。楽しみながらやってみましょう」

 高濱さんのイチオシは囲碁。実は高濱さんも囲碁の有段者だ。主に小中学生を対象に、囲碁日本一を競う「花まる学習会杯ジュニア本因坊戦」も後援している。囲碁は集中力、論理力、思考力を深め、図形センスも磨くという。WEB上でAIと対戦したり、対戦相手との実力に差があればハンディを付けて戦ったりすることもできる。ネット環境が整っていれば、友だちや田舎のおじいちゃんと対戦してみてはどうだろうか。(ライター・柿崎明子)

AERA 2020年4月20日号