冒頭の母親は仕事の邪魔をされないよう、ビデオやユーチューブを何時間もだらだらと見せてしまうという。安浪さんは「完全にNG」と言う。

「こういう時期だからこそ、家族で1日のタイムスケジュールを決め、守りましょう。起きたらすぐにパジャマから着替えて、行動を起こすこと」

 勉強のスケジュールは、「算数」と漠然と立てるのではなく、「問題集の25ページから30ページまで」のように具体的に決めることが肝心だ。勉強はスタートの時間を順守する。

「何時間やるかよりも、何をやるかの方がはるかに大切。早めに終わったら、時間内でも勉強は切り上げましょう」

 中学受験の準備のために塾に通っている子どもは、今までの復習がお勧めだ。やることが多くあるので、未消化で終わっている単元も多いはず。手薄な単元を、時間をたっぷりとかけて勉強する。

「塾は時間が限られているので、先生の解説を聞いたり丸暗記したりと、受動的な勉強になりがち。時間がたっぷりある今だからこそ、自分だけの力でもがいて勉強してみましょう」

 在宅勤務が本格化したら、日々の生活をさらに豊かにすることが大切だ。実は安浪さんも小学生の子どもを持つ母親。今は、いつもよりちょっとリッチなお菓子を用意して特別感を出したり、食器に凝ったりするなど工夫しているという。

「この時期は、親は子どもだけでなく、自分のケアも必要です。私はお茶が好きなので、いろいろ取りそろえて楽しんでいます」

(ライター・柿崎明子)

AERA 2020年4月20日号