「レッスルマニア36」はJ SPORTSオンデマンドでも日本語実況版が4月8日から、日本語字幕版は同12日から配信 (c)2020 WWE, Inc. All Rights Reserved.
「レッスルマニア36」はJ SPORTSオンデマンドでも日本語実況版が4月8日から、日本語字幕版は同12日から配信 (c)2020 WWE, Inc. All Rights Reserved.

 近年、日本のレスラーがアメリカのプロレス界で独特の個性を発揮して活躍している。プロレスのグローバル化でジャパニーズ・スタイルの旋風が吹き荒れる。来たる「無観客試合」をどう魅せるかに注目が集まっている。

【写真特集】「WWE」で闘う日本のレスラーたち

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 今年1月に惜しまれながら引退した獣神サンダー・ライガーの、世界最大となるプロレス団体、米「WWE」の殿堂入りが3月16日、発表された。日本人としてはアントニオ猪木、藤波辰爾に続く3人目。このニュースにプロレスファンの40代会社員の男性は興奮を隠さない。

「WWEはプロレスの歴史をリスペクトする団体。その団体がライガーさんを高く評価したことはすごく嬉しい」

 それまでヘビー級の添え物のような扱いだったジュニアヘビー級がライガーによって日本で活気づき、それがアメリカにも波及し、かつては大男が殴り合うようなスポーツだったプロレスが高度なムーブを競い合う競技に進化した。

「世界最大のプロレス団体の底流にジャパニーズ・スタイルが根付いている象徴的な出来事なのではないでしょうか」

 近年日本のレスラーのWWEでの活躍が目覚ましい。新日本プロレスのエースだった中邑(なかむら)真輔(40)は人気と実力の絶頂期だった2016年に新日本を退団しWWEと契約、同年ブランドの一つである「NXT」で王座を獲得。スマックダウン昇格後もインターコンチネンタル王座を奪取するなど大活躍している。格闘技ライターの高崎計三さん(50)はこう言う。

「中邑選手の場合、日本でトップの選手がそのまま、キャラクターを変えずにアメリカでもトップとして活躍しています。女子選手でもアスカとカイリ・セインの『ザ・カブキ・ウォリアーズ』が女子タッグチャンピオンを奪ったりと、特別枠ではなくレギュラーのメンバーとして活躍している状況はすごいと思います」

 日本人選手というと、かつては「パールハーバー」のイメージで、卑怯な悪役を演じさせられていた。だが、いまは違う。YouTubeなどで日本の試合をほぼリアルタイムで見られるようになったことで、リアルな日本のプロレスを好むアメリカのファンも増えてきた。

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