「量と測定」では、身の回りの長さ、面積、重さ、体積、時間といった量の意味を理解し、その測定法を学びます。1年生までは、生活レベルで量感をつかむだけで十分ですが、2年生になると「単位」について習い、以降学年を追うごとに、どんどん抽象化して難しくなるのが特徴です。

「長さ、体積、重さも、体験とリンクしないと理解ができません。実際に5キログラムの米袋を持ってみたらすごく重たかったなど、頭で思っている量や重さと、実際のそれが違うことを体験することが大切です」

と、杉渕先生。

「図形」は、1年生のうちは遊びながら形の違いや特徴をつかみます。2年生になると、「3本の直線で囲まれた形が三角形」といった定義を習います。さらに、長方形や正方形、直角三角形も習い、3年生になると円や二等辺三角形、球を習い、4年生では台形や直方体が登場、垂直や平行といった概念も習います。学年が上がるにつれて、学習内容は複雑化。「量と測定」も「図形」も公式を丸暗記しようとせず、しくみやきまり、性質といった本質を理解することが大切です。

 学年が上がると学習内容が抽象的かつ複雑になる「単位」と「図形」の学習は、早いうちから遊びや生活の中で親しんでおくことがポイントになります。

「身の回りのものを実際に測ってみることは、数字だけで“何センチメートル”と覚えるよりも、格段に理解が進みます。料理は単位を実感できる最高の学習法です」

 図形が得意になるには、ブロックやパズル、工作がおすすめ。

「“勉強だ!”と大人の意図が透けて見えると子どもは途端にやる気を失います。こういった“楽しくて力になる”学習は、早期の成果を求めないことが大事。短期間にわかりやすい結果が出るというよりも、じわじわと頭の中に入っていき、気がつけば自分の中に定着していた、というものです」

 立体や展開図にふれるには、タブレット端末や学習アプリを使うのも有効です。

「展開図から立体をイメージできなくても、画面上で展開図が動いて組み立てられる様子を見ることで、イメージしやすくなります。デジタルをバランスよく取り入れるのも大切です」(構成・AERA with Kids編集部)

※『AERA with Kids春号』では、算数だけでなく、国語、理科、社会で6年間で習うことをわかりやすく表にまとめて紹介しています。また、家でできる、楽しみながら学べる方法も多数紹介。ぜひ参考にしてみてください。

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2020年 春号 [雑誌]

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AERA編集部
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