24歳のころから4年近くひきこもっていた女性(30)。「女子会」によってひきこもりから抜け出すことができた今、当事者が集まる「居場所」をつくることが目標だと話す(撮影/写真部・掛祥葉子)
24歳のころから4年近くひきこもっていた女性(30)。「女子会」によってひきこもりから抜け出すことができた今、当事者が集まる「居場所」をつくることが目標だと話す(撮影/写真部・掛祥葉子)

「ひきこもり」と言えば「男性」というイメージが強かったが、女性も少なくないことがわかってきた。見逃されたのはなぜか。抜け出すにはどうすればいいのか。AERA 2020年4月6日号では、ひきこもり当事者の女性に話を聞いた。

*  *  *

 私なんていなくていいのに。

 都内の女性(30)は、24歳のころから4年近く、こんな思いを抱きながら自宅の部屋にひきこもった。

 関西の美術系大学や専門学校で写真の勉強をしていたが、「もっと写真を学びたい」と23歳の時に東京の美大に入り直した。これからさらに楽しいことが起き、成長もできる。そう思っていたが、東京では友人もできず、悩みを相談する相手もいない。次第にしんどくなり、大学にも行けなくなった。気づいたら、自宅にひきこもるようになっていた。大学は中退し、写真も撮れなくなった。

 気分に波があったが、症状がひどい時は朝から晩まで部屋のベッドで1日を過ごした。頭から布団をかぶり、何もしない。食事もとらず風呂にも入らず、自問自答を繰り返した。

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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