ハーモニーが大切な舞台。喉のケアなど、健康管理にはかなり気を使っている。

川平:僕の健康の源はサウナですね。歯磨きするみたいに毎日行く。湯船には浸からず、サウナ6分と水風呂を計4回。博は喉をどうやって保ってるの? 根性?

長野:根性じゃないです(笑)。加湿器と、舞台中は必ずマスクして寝ますね。お医者さんも言ってましたけど、口呼吸になるのが一番喉を痛めるそうなので、口だけは潤うように。あと、人と食事に行くと意外と喉を使いますよね。だからセーブしたりはします。

川平:俺たちもほとんど飲みに行かないよね。あ、俺は仲間の芝居、特にミュージカルも見ないようにしてる。見ているだけでも無意識に喉を使って疲れちゃうんだって。

長野:そういえば、黙読するだけでも声帯を使うらしいですよ。だからもう、究極的にはメールもあまり見ないです(笑)。

川平:プロフェッショナリズム! 俺もやろうかな。

 この物語のように死後、1日だけこの世に蘇るとしたら、二人は何をするだろう。

川平:まず、絶対サウナには行きますね。あと仲間と家族で集まってバーベキューをやって、朝までキャンプファイアでドンチャンやる。最後はみんなに「燃~えろよ、燃えろ~よ」って歌ってもらって、炎の上に昇って「じゃあな!」って。どう?

長野:キャンプファイアであの世に戻るのはいいですね。僕は……死んで初めて気づくことってたくさんあると思うんです。だからやり残したことを粛々とやりますね。

川平:博らしい。サウナ、キャンプ、バーベキューの俺とはまるで違う(笑)。でもこの舞台の4人もそうだよね。個性もバラバラ、抱えてるものも違うけど、それぞれがチャーミングで面白い。舞台を見に来てくださるお客様もいろんなものを抱えて生きてると思うけど、ミュージカルは嫌なことを全部忘れさせる効果がある。この人間賛歌を観て、癒やされてほしいですね。

(ライター・大道絵里子)

AERA 2020年4月6日号