バイデン氏は3月23日に新型コロナウイルスについての見解を自宅から配信。自身とトランプ大統領を比較し、政権を担う準備があることを強調した。写真は配信画像
バイデン氏は3月23日に新型コロナウイルスについての見解を自宅から配信。自身とトランプ大統領を比較し、政権を担う準備があることを強調した。写真は配信画像

 新型コロナウイルスの感染拡大により、米大統領選予備選挙は一時中断している。民主党指名候補はバイデン前副大統領が有力だが、不安もある。AERA 2020年4月6日号の記事を紹介する。

【写真】バイデン氏と民主党候補者争いを繰り広げたサンダース氏

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「バイデン氏が今やるべきことは、副大統領候補を選ぶことだ」

 米メディアでは、すでにこんな声があがっている。

 今年7月に開かれる民主党大会で指名候補になるために必要な代議員数は1991人。3月26日現在、ジョー・バイデン前副大統領(77)は1185人、バーニー・サンダース上院議員(78)は884人を獲得している。数字で見ればサンダース氏が挽回するチャンスはあるが、複数調査による支持率の平均は、バイデン氏が52%に対し、サンダース氏が34%と差が開く(米紙ニューヨーク・タイムズ)。

 すでにバイデン氏の勝利が決まったかのような論調も多く、彼の副大統領候補として、3月上旬まで予備選挙を戦っていたエリザベス・ウォーレン上院議員(70)や、カマラ・ハリス上院議員(55)らの名が挙がる。

 一方で、新型コロナウイルスの感染拡大は、米大統領選にも大きな影響を与えている。2月に各州で始まった予備選挙は新型コロナ感染の懸念から3月17日のフロリダ州などを最後に中断、3月下旬以降に各州で予定されていた予備選挙は5、6月に延期された。感染拡大を防ぐため、両候補とも選挙集会が開けず自宅待機状態だ。

 バイデン氏は東部デラウェア州の自宅にスタジオを作り、有権者やメディア向けの声明をストリーミングで発信している。

「トランプ大統領は、新型コロナの到来は予測できなかったと言うが、私は今年1月27日に警戒を呼びかけた」(3月23日会見)

 トランプ氏と自分の違いを強調し、「私が大統領ならこうする」と、いつでも政権を担う準備があると主張する。

 バイデン氏はオバマ前大統領(58)の抜擢により、2009年から8年間、副大統領を務めた民主党の重鎮だ。だが、その人生は決して順調ではなかった。

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