いじめられた人や否定された人の悲劇は、いじめた側が覚えていないことです。人を否定したり石を投げたりする人たちは、鬱憤(うっぷん)ばらしとしてやっています。言葉の暴力も含めて、鬱憤ばらしのために誰かの貴重な人生が犠牲になってしまうのは許されることではない。否定された言葉を許す必要はありませんが、主人公を自分に戻す必要があります。
だからできれば整形をする前に、幸せになる訓練をしてほしいんです。
ばかばかしいかもしれないけど、まずは自分を1日1回褒めてみる。幸せってすごく怖いことで、例えるなら急に海に潜るのと近い気がします。まず水と友達になる感覚で、自分を褒める。そうするといつか海に潜れる日が来ます。
整形するなら、ちゃんと幸せになってから整形したほうが、その整形で得た幸せとうまく付き合っていける気がするんですよね。
悪い奴らへの復讐には、いろいろなやり方があっていいと思いますが、僕自身は「こんなにいい人がいるんだ」という体験を死ぬまでに一つでも増やしていくことではないかと思っています。
※AERA 2020年3月30日号