2点の「ひまわり」が、日本で出会うことにも「意味がある」と言うのは、国立西洋美術館主任研究員の川瀬佑介さんだ。実は日本は歴史上、7点描いたと言われるゴッホの「ひまわり」のうち2点を所有したことがある。現在の東京の「ひまわり」と、1920年に兵庫・芦屋に在住の実業家が購入して日本に来たものの、45年の空襲で焼失した「ひまわり」だ。

「これはロンドン・ナショナル・ギャラリーが『ひまわり』を購入したより数年早い。日本に憧れたゴッホの価値を、日本もいち早く見いだしていたのでしょうね」(川瀬さん)

 そんな日本の空の下に2点の「ひまわり」が咲く。(ライター・福光恵)

AERA 2020年3月30日号より抜粋