筆者のイチオシ、アオリイカのお寿司
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シャキッとうまいヤリイカのお寿司
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むっちり感が楽しい紋甲イカのお寿司
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「烏賊」と書いてなんと読むかわかりますか? そう、イカですよね。でもなぜ海の生き物なのに烏(カラス)という漢字が使われているんでしょうか。

 諸説あるようですが、イカが海にプカプカ浮かんでいると、死んでいると思ったカラスがつつきにくる。そこを、触手で素早く捉えて海中に引き込んで食べることもあるということから、「カラスを襲う賊(ぞく)」ということで烏賊という文字が当てられたとも言われます。

 実際にカラスを食べるのかどうかはわかりませんが、イカがかなり獰猛であることは事実のようです。

 例えばイカの王様と呼ばれるアオリイカは、主にアジやイワシなどの魚を食べています。その狩りの仕方は、後方から近づいて、0・1秒という目にもとまらぬ速さで長い触手を伸ばしてからめ取り、10本の足で抱え込んだら、魚の後頭部を一気にかじりとって息の根を止めた後、ゆっくりと味わって食べます。また、自分より大きなサイズの魚にもひるまずに襲いかかることも多いそうです。

 アオリイカの成長は早く、生まれて1年で40センチ以上に成長します。そのためにも積極的に餌を狙って食べ続ける必要があるんですね。

 アオリイカよりもっと大きいのが、10メートルを超える世界最大のイカ、ダイオウイカです。テレビなどで見て、「この大きさだったら、何人前のお刺身がとれるんだろう?」と思ったことはありませんか? 筆者はいつも思っていました。

 でも実は、ダイオウイカはむちゃくちゃまずいようです。

 あの巨体で、深海まで潜ったり浮上したりするために、体内に塩化アンモニウムという物質を蓄えていて、そのために強烈なアンモニア臭がして、とてもお刺身で食べられるものではないとのことです。スルメに加工してみても、「もう一度食べたい味ではない」ということのようです。

 イカの仲間は全世界で約450種類もいるとされていますが、日本近海では25種類ほどが水揚げされて流通しています。日本はかつては世界一の漁獲量を誇っていましたが、現在では他の魚介類と同じく、中国が世界一になっています。

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岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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