こうした事態を受け、通信制高校のN高がオンライン学習アプリを提供したり、LINEが日本数学検定協会や学研などと連携した学習サービスを立ち上げたり。無料のオンライン学習ツールやコンテンツが続々と登場した。こうした動きを歓迎する声がある一方、さっそくオンライン学習に挑戦した親からは、こんな声も聞かれる。

「いつも予約がすぐに埋まる人気講座がオンラインで無料公開になったので楽しみにしていたのですが、小3の息子は10分で飽きてしまいました……」

「小6の息子をオンライン予備校にデビューさせよう、と意気込んだもののアクセスが集中して回線パンク。ひょっとすると日本全国こんなことが起きているのではないでしょうか」

 学び方の知恵を集めようと、ハッシュタグ「#臨時休校中の学ばせ方」をSNS上にすぐさま立ち上げたのは、京都橘大学の池田修教授(教育方法学)。

「休校要請から実際の休みまであまりにも時間がなく、学校の先生たちが課題を考えたり準備する時間がないのは明らかだった。『このドリルやっておいて』と、ぽんと渡すだけになるとまずい。そう思い、優良なコンテンツや、子どもの過ごし方のいいアイデアはないかSNSで呼びかけました」

 ハッシュタグはたちまち広まり、大学の研究者や教育関係者たちから次々と情報が集まった。池田さんも、かつて自分の子どものために作った「ひらがなトランプで七並べ」のアイデアを提供した。

「小学校の低学年向けの情報が少ないのが気になりました。受け身で動画を見るだけでなく、主体的に関われる学びもほしいと思いました」(池田さん)

 アエラが行ったアンケートでは、家に長時間いる機会に、子どもたちに家事を身につけさせたいという親の声も少なくなかった。都内に勤務する40代の女性は、電気圧力鍋を買った。

「小学5年の息子が料理ができるようになると、私も助かる。電気圧力鍋なら火を使わないので安心です」

 埼玉県に住む女性(41)は生活リズムも兼ね、小学3年の息子にも家事分担することにした。

「昼食の自分の食器洗い、洗濯ものたたみは日課。お風呂掃除は5円の配当にしました」

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