津田教授は、アメリカやヨーロッパ、オーストラリアを始めとした先進各国同様、米国の「CDC(疾病対策センター)」に相当する研究・行政・教育の継続的かつ専門的な統合的組織を日本が持つことが強く求められる、と訴える。

「今の日本のように国会議員や官僚がコントロールしていては、専門的知識が及ばない上に、何年かに一度の健康危機管理に対応できる専門能力を維持できず、さまざまな形態をとる健康危機に対応できないからです。対応にあたる組織と政府は、市民の信頼を得るためのメッセージを発する情報の窓口を一本化し、メディアから受ける取材の機会を通じて、必要でコンパクトなメッセージを適宜発信すべきです」

(編集部・渡辺豪)

AERA 2020年3月9日号より抜粋

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渡辺豪

渡辺豪

ニュース週刊誌『AERA』記者。毎日新聞、沖縄タイムス記者を経てフリー。著書に『「アメとムチ」の構図~普天間移設の内幕~』(第14回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞)、『波よ鎮まれ~尖閣への視座~』(第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞)など。毎日新聞で「沖縄論壇時評」を連載中(2017年~)。沖縄論考サイトOKIRON/オキロンのコア・エディター。沖縄以外のことも幅広く取材・執筆します。

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