「ニュースを見た小6の娘は、膝から崩れ落ちるように泣いてしまいました。最後の図工の作品づくりもまだ途中だし、卒業式もどうなってしまうのか」

 この女性は休校が本当に感染リスクを減らす効果があるのか、懐疑的だという。

「学校で友達に会えなくなるので、子どもは習い事に行きたがります。お金があって親の目がなければ中高生はゲームセンターやカラオケにも行くでしょう。すべての外出を禁止しない限り、休校だけで果たして効果があるのでしょうか」 

 前出の横浜市在住の母親は「子どもたちの安全を考えれば仕方ない」と政府の対応に理解を示しつつも、こう訴える。

「ずっと家に缶詰めだとしたらメンタル面が心配。せめてグラウンドや公園は開放してほしい」

 今回、一斉休校の要請対象となったのは小中高校。保育園や幼稚園・認定こども園など未就学児が通う施設は、含まれていない。その決定に、保育園児と小2の子どもを持つ都内の女性(37)は胸を撫で下ろした。

「正直言って助かります。いくら在宅勤務ができても、体力のあり余っている子どもを1日自宅に閉じ込めながら仕事をする状況は、親にも子どもにもすごいストレスですから」

 働く親で全く同感だという人も多いはず。だがSNS上には、保育園で働く親の切実な声も相次いだ。

「私は保育園勤務。子どもは小1。私個人としては保育園も休園していただけるとありがたい。けど働くお父さん、お母さんが困るのはわかってるし……」

 園によっては人繰りがつかないところが出る可能性もある。

 さらに、通園する子どもたちの感染リスクも気になる。「保育園こそ濃厚接触の場」「満員電車で通勤する親が送り迎えするので、余計、感染リスクが高い」。そんな声を聞けば、「預けられる」と喜んだ親たちの心も揺れる。

 子どものために最善の方法をとりたいという思いは共通。だが何が最善なのか、誰にも答えはわからない。

 特に低年齢の子どもを抱える親にとって、休校要請が出る前からストレスは大きかった。

「ただの風邪だと信じたいけど」

次のページ