元ヘルパーの映画監督が問う「自立とは何か」 障害者と介助者の関係描く

2020/03/03 11:30

田中悠輝(たなか・ゆうき)/1991年、東京都生まれ。明治学院大学卒業。2013年から福岡県北九州市の認定NPO法人抱樸で野宿者支援にかかわる。16年から自立生活センターSTEPえどがわでヘルパーとして働く。同年「ぶんぶんフィルムズ」のスタッフとなる。17年から認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやいでコーディネーターとして勤務。18年から日本初の市民(NPO)バンク「未来バンク」理事(撮影/写真部・小黒冴夏)
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「インディペンデントリビング」/プロデューサーは「ヒバクシャ―世界の終わりに」の監督、鎌仲ひとみ。3月14日から全国順次公開 (c)ぶんぶんフィルムズ
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「さようならCP」/発売元:ディメンション、販売元:ハピネット・メディアマーケティング、価格3800円+税/DVD発売中 (c)疾走プロダクション
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 映画の冒頭、ライブハウスで歌うバンドのボーカリストをカメラは追う。ライブが終わり彼は仕事先に向かう。そこは一人の障害者が自立生活を営んでいるアパートだ。彼、川崎悠司さんは新人ヘルパーで、オートバイ事故で障害者となりその後自ら自立生活センター「ムーブメント」を立ち上げた渕上賢治さんの傍らで長い夜を過ごす。時に渕上さんのたばこに火をつけ、話に耳を傾けながら。

 自立生活センターとは、障害当事者が運営し、重度の障害があっても地域で自立して生活できるよう、介助派遣やピアカウンセリングなどのサービスを提供する事業体だ。このドキュメンタリー映画は、大阪にある三つの自立生活センターを舞台に、自身も介助者として働く監督によって撮影された。障害者と介助者の、時に衝突やトラブルが起こりつつも、一日一日と紡がれる日常を丁寧に追いかけている。

「大阪の自立生活センターを撮影したのは、『夢宙センター』の平下耕三さんとの出会いが大きいです」(田中監督)

 難病の当事者であり、全国自立生活センター協議会の代表でもある平下さんはじめ、映画に登場する人物は皆個性あふれる“濃い”キャラの持ち主ばかり。バックグラウンドも様々だ。18歳まで山の中の施設で育った山下大希さん、大学卒業後塾講師をしていたが過労により脳卒中で倒れ障害が残った木下浩司郎さん、障害当事者のリーダーとしてアメリカ留学を決める筋ジストロフィーの大橋ノアさん──。

「障害当事者と介助者の間で、個人と個人が出会っている感じがありました。仕事として関わるだけでは起こりえないような、人間同士のポジティブな作用が起こっている現場でした」(田中監督)

 夢宙センターの健常者スタッフ、小角元哉さんは映画の中でこうつぶやく。

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