私たちの胸をワクワクさせてくれる恐竜。目の前でほえ、狩りをし、 子育てする姿を実際に見ることができたら、どんなに素晴らしいだろう。小中学生向けのニュース月刊誌「ジュニアエラ」3月号では、2月21日(金)公開の映画「恐竜超伝説 劇場版 ダーウィンが来た!」制作秘話を取材。最新の研究成果を元に恐竜たちの生態にせまった。

カムイサウルスの全身骨格。寝そべる小林教授と比べると、その大きさがよくわかる(提供/NHK)
カムイサウルスの全身骨格。寝そべる小林教授と比べると、その大きさがよくわかる(提供/NHK)

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 日本で初めて恐竜の化石が発見されたのは、1978年のこと。以来、各地で次々にこうした化石が見つかり、中生代白亜紀(約1億4500万年前~6600万年前)の日本にはたくさんの恐竜がいたことが明らかになっている。なかでもここ数年、注目されているのが、北海道むかわ町で約7200万年前の地層から発見された体長約8mの「カムイサウルス・ジャポニクス」だ。この学名は「日本の竜の神」という意味。これまでは通称の「むかわ竜」と呼ばれていたので、その名で記憶している人も多いだろう。

 2003年に尾の一部の骨の化石がアマチュアの化石収集家により発見されて以来、北海道大学総合博物館の小林快次准教授(現教授)たちの調査を経て、全身の約8割の骨が掘り出され、解析の結果、19年に新種であることが判明、学名がつけられた。

 カムイサウルスがいた時代はまだ日本海はなく、のちに日本列島となる大地はアジア大陸の東の端に位置していた。その時代の北海道で、この恐竜はどんな暮らしをしていたのだろう? 小林教授はこう話す。

「カムイサウルスに近い仲間の恐竜が北アメリカにもいて、複数の個体の足跡の化石から、大きな群れをつくっていたことがわかっています。カムイサウルスの化石は海だった地層から見つかっているので、浜辺で群れをなし、植物を食べながら暮らしていたと考えられます。同じ時代の地層からは、肉食のティラノサウルスの仲間の化石も見つかっているので、襲われることもあったでしょう」

 化石はこんな恐竜像を描き出してくれるけれど、実際はどんな光景が展開されていたのだろう。何とか見てみたい……。そんな願いをかなえてくれるのが、2月21日から全国で公開される映画「恐竜超伝説 劇場版 ダーウィンが来た!」だ。

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上浪春海
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