チケットがなくても観戦できる競技もある。トライアスロンやマラソン、競歩、自転車ロードレースは沿道で観戦できるし、海で行われるマラソンスイミング(遠泳)やサーフィン、セーリングは規制エリア外から遠目に見られる。

 昨年のラグビーワールドカップの際、全国16カ所で113万7千人を動員したファンゾーンも帰ってくる。「ライブサイト」という名で全国各地に設置され、入場無料で大型スクリーンでの観戦や競技体験、飲食を楽しめる。参加国などが開設する「パートナーハウス」では運が良ければ選手に会えることもある。

「チケット購入ばかりに目がいきがちですが、オリンピック・パラリンピックにはいろんな参加の方法がある」

 そう話すのは、人気ブログ「スポーツ見るもの語る者~フモフモコラム」の筆者で、『自由すぎるオリンピック観戦術』の著書もあるフモフモ編集長さんだ。自身は招致決定時には2千人が集まったイベントで喜びを共有したのに始まり、メダル製造のために使用済みのゲーム機を寄付。各競技のテストイベントにも足を運んでいるという。

「オリンピックはずっと続いていて、本大会はデザートのようなもの。体験を積み重ねるとオリンピックが自分事になり、より楽しめると思います」

(編集部・深澤友紀)

AERA 2020年2月24日号