「最近肌で感じているのは、海外でワインビジネスをやっている人たち、あるいはワインスクールの先生たちが日本酒をとりこみ始めている。それが前と全然違います」

 インバウンド需要への対応を含め、酒蔵ツーリズムとでもいうべきこのようなイベントは各地で行われており、泉橋酒造に限らず、蔵元の発信力は日に日に高くなっている。

「この業界に25年いますが最初の頃はお酒の流通が変化する時代。コンビニやスーパーが増え、売り場面積が減っていくことに危機感を感じて農業から、一から会社を作り直そうと思いました。ホームページ、宅配便、SNSの力も大きいです。20年ほど前の危機から発して、今それが花開いてきていると思います」

(編集部・小柳暁子)

AERA 2020年2月17日号より抜粋