──昨年はKing&Princeの岸優太さん(24)、神宮寺勇太さん(22)主演のミュージカル「ドリームボーイズ」で、脚本や演技指導を担当しました。後輩の舞台に関わり、ジャニーさんの遺志を継ぐという思いでしょうか。

 ジャニーさんからしたら、僕のやり方は非常に面倒くさいんだと思いますよ。「いつまでそんなところに時間かけてるの?」と。僕とジャニーさんのやり方は全く違うんですよ。ジャニーさんは勢いを大切にする人でしたが、僕はまず脚本作り、土台を固めないと嫌なんです。ジャニーさんは土台なんて関係ない(笑)。でも、自分が面倒をみる子たちに、演じるときの気持ちの持っていきどころを、ちゃんと作ってあげたかった。

 ジャニーさんが言うことをそのままやるのは、僕は違うと思ってきました。スタッフに何か言ったとき、「いえ、ジャニーさんはこう言ってますから」と返されると、「この人、つまらないな」と思ってしまいます。

 僕も、20代前半はジャニーさんの言ったとおりにやろうとしていました。ただ、ジャニーさんの言うことって意味がわからないことも多い(笑)。人の10歩20歩先を行っているような人ですから。それをどう形にするか、お客さんに届くように表現するかだと思うんです。まあ、そうやり続けた結果、ジャニーさんから「違うんだよ」って怒られていたわけですけど(笑)。

──「SHOCK」は、ジャニーさんの華やかで勢いのある世界観と、光一さんによるしっかりとしたストーリー展開の融合のように思えます。

 正解はないんですけどね。僕も滝沢(秀明)も、誰もジャニーさんにはなれない。ただ、ジャニーさんとの関係性は、ジャニーさんが亡くなったあとも変わらないし、変える必要もない。今も、「YOU最悪だよ」って怒っているかもしれませんが、それは仕方のないことです。

──Hey! Say! JUMPのコンサートの演出など、近年、積極的に後輩を指導しています。

 後輩を育てなきゃとは思っていないんですが、かかわったからには、その人を輝かせたいと、単純に思いますよね。いろんな演出のやり方がありますが、ライブの場合、自分がしてあげるべきことは基本的に本人たちがやりたいことに対し、選択肢を増やしてあげることです。ジャニーさんもそうでしたし。最低限のオーダーはしますが、その先にある何か、そこから生まれるものがあるはず。そこまでの道筋を作ってあげたいと思っています。

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