──政権交代を視野に入れた場合、脱安倍政権の旗印は何なのでしょうか?

 脱安倍政権の旗印は、立憲主義を回復し、公正で透明なルールを社会に取り戻すことです。公文書管理を徹底するために公文書記録院を設置すること、権力の濫用に結びつかない内閣人事局制度に改めること、メディアへの政治介入を防ぐために放送法を改正することなど、安倍政権が壊してきた数々の民主主義を守るための「装置」を立て直すことが重要です。

──その一方で年末の国民民主党との合流は破談となりました。野党が大きな塊にならないと選挙では勝てないという現実もあります。

 最終的に両党の幹事長同士では合併で一致しました。これが「9合目まで来た」という私の発言です。しかし、残念ながら代表間では、国民民主党側で党内の了解が取れなかったということです。今後も大きな構えを作ることを目指して不断の努力はしていくつもりです。ただ、通常国会が始まるまでに合併できなかった事実は、安倍政権に隙を与えてしまいました。来年度の予算成立後に解散に打って出るかも知れません。考えてみると、2020年は子年で、新しい物事が始まる変化の年だと言われ、永田町では政変の年と言われます。また、オリンピックの年は、64年東京、72年札幌、98年長野。3回とも首相が交代しています。いつ解散総選挙があっても野党第1党として受けて立つ態勢を作らなければならないと思っています。(編集部・中原一歩)

AERA 2020年2月10日号より抜粋