また、暑さ対策では、科学が「手を冷やせ」という答えを出した。昨年9月、暑いドーハ(カタール)で行われた陸上の世界選手権男子50キロ競歩で金メダルに輝いた鈴木雄介選手は、手に白い保冷グッズをつけていた。これは、暑さ対策の研究の成果だ。競技力を左右する体の内部の温度「深部体温」を下げるには、一般的にいわれているわきの下より手のひらを冷やすほうが効果的だったんだ。

 国立スポーツ科学センター以外でも科学の力が、サポートをしている。

 例えば、タブレットを使えば、練習中や試合中の最新の映像がすぐに確認できる。競技によっては、試合中の選手の動きやボールのコースなどのデータを分析するシステムを開発し、活用しているところも多い。

 躍進著しいラグビー日本代表が取り入れているのが、ドローンを活用した練習の映像撮影だ。上空から見ることで、フィールド全体のなかでの選手やボールの動きを把握し、改善点を見つけたり、作戦を考えたりできる。

 数値や映像で「見える化」することが大切なのだ。

ジュニアエラ 2020年 02 月号 [雑誌]

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AERA編集部
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