※写真はイメージ(gettyimages)
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 堂本光一さんが、20周年単独記念公演「Endless SHOCK」をスタートする。今や演出・脚本・音楽までを手がける彼が、舞台にかける想いを語った。AERA 2020年2月10日号から。

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「今年もSHOCKの季節がやってまいりました」

 ミュージカル「Endless SHOCK」のオープニングを、よくこんな挨拶で始める。2000年の初演から重ねた上演回数は1731回。2月から3月、東京・帝国劇場は「SHOCK」の色に染まる。

 初演時は21歳。舞台稽古がなかなか進まず、本当に初日を迎えることができるのか、不安だらけだったという。歴史と伝統のある帝国劇場で若いアイドルが主演を務めることに対する批判の声もあったが、「黙らせてやる」という気持ちで挑んだ。

 今の自分が、20年前の自分に言葉をかけてあげるとしたら? そう尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「なにもかけられないんじゃないですか。ものすごく必死でしたから、今の俺がどう声をかけても届かないと思います」

 05年からは演出・脚本・音楽など制作面の指揮をとり、現在の「SHOCK」のかたちを作り上げた。22段の「階段落ち」、命綱なしのフライング、激しい殺陣とダンス──。過酷な舞台に立ち続けることができたのは、舞台に対する強い思いがあったからだ。

「帝国劇場は満席でも2千人足らず、東京ドームなら一度のライブで5万5千人。若い世代には、『ドームのほうがいい』と思っている子もいるかもしれない。舞台には、ワーとかキャーとかいう歓声もありませんからね。でも、その限られた空間こそ、非常に贅沢だと思いますし、望めば立てるような場所ではないことを忘れてはいけません」

 ジャニー喜多川さん亡き後に迎える20周年の節目には、特別な感慨もある。

「ジャニーさんは僕の中で、ずっと生き続けている。ジャニーさんの名に恥じない舞台にしたい」

 3月30日夜には、1800公演を達成する。(編集部・野村美絵)

AERA 2020年2月10日号