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アベ首相役を演じる「ザ・ニュースペーパー」福本ヒデの信念<現代の肖像>

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山田厚史AERA
美術館もある上野公園は、好きな場所だ。うれしい時も人との関係に悩む時も、ここに来た/加藤夏子撮影

美術館もある上野公園は、好きな場所だ。うれしい時も人との関係に悩む時も、ここに来た/加藤夏子撮影

トランプ役の松下アキラは、小倉の市民劇団で出会った「憧れの先輩」。背中を見ながら演劇の道を進んだ。ザ・ニュースペーパーから誘われ、舞い上がる気持ちで一緒に上京した。芸風、個性は全く違うが、今や劇団を支える二枚看板だ/加藤夏子撮影

トランプ役の松下アキラは、小倉の市民劇団で出会った「憧れの先輩」。背中を見ながら演劇の道を進んだ。ザ・ニュースペーパーから誘われ、舞い上がる気持ちで一緒に上京した。芸風、個性は全く違うが、今や劇団を支える二枚看板だ/加藤夏子撮影

 お笑いといえば吉本興業が幅を利かす当世で、ザ・ニュースペーパーの笑いは一味違う。社会風刺コント集団を名乗り、政治ネタが売りだ。新聞からニュースを拾い、芸能人の騒動も、社会問題も、世の中を斜めに切って、客と一緒に笑い飛ばす。アベ首相役を演じている福本ヒデさんも人気の役者となった。生まれ育った広島の山里の原風景を背負い、舞台に立つ。

【アベ首相とトランプ大統領の掛け合いはこちらの写真】

 東京・銀座8丁目の博品館劇場。年末恒例の「ザ・ニュースペーパー年納め公演」が開かれていた。前売り券は、発売と同時に電話が殺到、瞬間蒸発ではけてゆく。「劇場でしか得られない笑い」という評判が観客を熱くする。替え歌やパントマイムを交え、15分ほどのコントが、次々に展開される。国会を賑わした「桜を見る会」は内閣府の地下室が舞台に。深夜、人目を忍んでやってきたアベ首相とスガ官房長官がシュレッダーの前で鉢合わせする。

「ほう、これがあのシュレッダーですか」「最新式だそうで。是非見ておきたかった」

 世間に出せない書類はたちどころに処理してしまう高性能シュレッダーは、最後はスガさんまでのみ込んで細断してしまう。官房長官がこれから直面する状況を、暗示するかのようなコントだ。

「パーティー料理が5千円は安すぎると、民主党は言いますが、そんなことはありません。私だから5千円なんです。私、だから。民主党なら1万円ですね。共産党だったら1万5千円でしょう」

「ネットに『ゆるみ、たるみ、おごり』と入力すると、今では『自民党』が出てきますよ」

 軽妙なやりとりが客席を沸かせた。
 アベ首相を演ずる福本ヒデ(48)は、いまや一座に欠かせない存在になった。今回も、サワジリエリカ、イシバシゲル、テロバイトの学生など、ほぼ出ずっぱりで役をこなした。

「ザ・ニュースペーパーを取り上げるなら、私ではなく松下アキラさんでしょう。演技、存在感、人生経験、声、肉体、どれをとっても。私なんか、たいしたものじゃない。ここにいるのもアキラさんとの出会いがあったからです」


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