私はいつでも「変わりたい」と思っていて。「これでいい」とは思わないようにしています。Superflyとしてはあまり変わったようには見えないかもしれませんが、じつは激変していて。2人組のユニットから1人になって、という状況の変化もそうです。だからこそ、過去に執着していられない。2人でいるときよりも私がしっかりしなければいけないし、フロントマンとしてはどうするべきか。常に「いま」に対してアプローチするようにしています。

──Superflyの世界観はどんどん広がっているように感じますが、キャリアを重ね“届けたい対象”は変わってきましたか。

 デビュー時からずっと口にしていることですが、聴く人に感動してもらいたくて。大きな意味では、それはいまも変わっていないのですが、届けたい“感動”の質は変わった気がしています。

 昔は「人ってこんな声も出る」「こんなにもパワーを出せる」というところを感じてもらいたい、と思っていたけれど、いまは聴いた人が「不覚にも涙を流してしまう」「心から泣ける」ということを大切にしていきたいと思っています。泣けるって、それだけ心がピュアということでしょう。

 笑ったり、涙を流したり。聴く人の心をいろいろな方向に動かすことができたら、Superflyとして活動している意味があるのかな、と思っています。

(ライター・古谷ゆう子)

AERA 2020年1月27日号