デビューに至る道のりは、決して平坦ではなかった。滝沢秀明さん(37)や嵐のメンバーがJr.として活躍していた1998年前後を「第1期黄金時代」とするならば、ここ数年は「第2期黄金時代」と呼ばれ、Jr.を中心としたテレビ番組やライブがあるほど、Jr.人気は高まっていた。両グループはその中心にいたが、18年5月に後輩にあたるKing & PrinceのメンバーがCDデビューを果たす。不安にならないはずがない。当時の心境について、ジェシーさんは19年春の本誌取材でこう答えている。

「後輩がデビューしていく中で俺たちに焦りがなかったわけじゃない。でもデビューまでの時間が長かったからこそできること、任せてもらえることはいろいろ増えたと思う」

 SixTONESの結成は15年。メンバーが集うきっかけは、12年4~7月に放送された「私立バカレア高校」という深夜ドラマだ。6人はヤンキーが集まる馬鹿田(まかだ)高校の生徒を演じ、深夜帯としては異例の高視聴率を獲得、同年10月には劇場版が公開された。ドラマで見せたちょっとヤンチャでおバカな“男子感”は、現在のSixTONESの魅力にそのまま通じる。

 18年3月に開設された公式YouTubeチャンネル「ジャニーズJr.チャンネル」では、そんな彼らの魅力がストレートに伝わってくる。寝起きドッキリや全員でボケまくりのドライブ旅など、楽屋の雰囲気そのままを見せるアイドルとは思えない爆笑動画を次々と企画。同年10月には、YouTubeが世界各地で行う「アーティストプロモ」キャンペーンに大抜擢される。海外では、ショーン・メンデス、BTS(防弾少年団)など、数億回の再生回数を誇るアーティストが担う大役だ。

 この活動の一環として制作された、オリジナル曲「JAPONICA STYLE」のミュージックビデオは、滝沢秀明さんがプロデュースした。和の雰囲気のなかで飛び交う大量の花びら、その中でパフォーマンスする彼らがセクシーかつクールだと、コメント欄には日本のみならず海外からの書き込みが相次いだ。公開2日で100万再生を達成、デビューへの大きな足掛かりとなった。京本大我さん(25)は、YouTubeにおける成功をこう振り返る。

「霧が晴れたというか、ちょっと曇っていたものが解消された気がします。僕らには常に課題があり、そこで結果を出さなくてはいけない。それはありがたいことだと思います。『挑戦してみな』と言われたものを乗り越えてきたことが、今につながっている。結果を出し続けることで、『SixTONESってすごいね』と広まっていくよう、頑張りたいですね」

次のページ