こう話すのは、クックパッド広報部の冨永麻美さんだ。じゃがりこと共に検索するキーワードは、13年から「ポテトサラダ」の1位が続いていたが、19年は4位に転落。代わりに1位に躍り出たのが「さけるチーズ」、2位、3位は「アリゴ」「チーズ」、5位は「お湯」。この10年で1度もランクインしなかったキーワードがブレークした。

 これは、あるお菓子料理がバズったことが背景にある。じゃがいもとチーズを練り上げて作るフランスの郷土料理「アリゴ」だ。料理研究家のリュウジさんが発案し、昨年1月28日、「じゃがアリゴ」としてツイッターで紹介すると、1日も経たないうちに10万回以上リツイートされた。

「じゃがりこのほか、柿ピー、ベビースター、カラムーチョも前年より検索頻度が増えました。ジャガイモを原料にするお菓子やパリパリした食感が楽しいお菓子などが人気です」(冨永さん)

 こうした動きをメーカーはどう思っているのだろうか。じゃがりこを製造販売する「カルビー」コーポレートコミュニケーション本部の荒川美咲さんは「開発時は料理に利用するという発想はなかった」と当初は驚いたことを明かすが、「素材を生かしたお菓子なので、料理にも合うのでは」と話す。

 昨年10月には、じゃがりこの進化版、「じゃが湯りこ ポテトサラダ」を販売。容器に直接お湯をそそぎ、ポテトサラダとしてよりおいしく食べられるようにした。(ライター・羽根田真智)

AERA 2020年1月13日号より抜粋