森拓郎(もり・たくろう、37)/ボディワーカー。運動至上主義のフィットネス業界でダイエットは食事改善が最優先と主張、著書累計90万部(撮影/倉田貴志)
森拓郎(もり・たくろう、37)/ボディワーカー。運動至上主義のフィットネス業界でダイエットは食事改善が最優先と主張、著書累計90万部(撮影/倉田貴志)
AERA 2020年1月13日号より
AERA 2020年1月13日号より

 あれこれダイエットに手を出して、一時的に痩せてもリバウンド。繰り返される体重増減から痩せにくい体になりがち。実はダイエット成功の鍵は「代謝」にあった。AERA 2020年1月13日号では、基礎代謝が低い40代の編集部員2人に、プロがアドバイスした。

【図を見る】基礎代謝のピークは何歳?

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 代謝をガンガン上げたい。ちょっと待って、そもそも代謝ってなんだっけ?

 取材陣が教えを乞うたのは、ボディワーカーの森拓郎さん。“食事だけで代謝は上げられる”という内容のベストセラー著書を多く出版している。

「世の中で『メタボ』というと単に太っている人のことをイメージしがちですが、メタボリック(metabolic)の本来の意味が『代謝』です。肥満、高血圧、高血糖などが重なって心臓病や脳卒中になりやすい状態のことをメタボリックシンドロームといいますが、言い換えれば『代謝不良症候群』。体内の代謝を恒常的に上げて健康になることこそ、本当の意味でのダイエットだと私は思います」

「メタボ、メタボ」と気軽に口にしていたが、代謝という意味だったとは。それで、代謝ってなんですか?

「食事で摂取した栄養素を歯で砕き、胃で消化して、腸で吸収しますよね。そこから先の体内の営み全部が『代謝』です。吸収された栄養素が血液に乗って体内のいたるところでエネルギーとして使われるのも代謝。栄養素が脂肪として蓄えられるのも代謝。代謝は総称なんです」

 体の中で起こる生化学反応はすべて代謝と呼ばれる。代謝そのものをくどくど定義するより、「体内でのさまざまな活動がエネルギッシュな状態=代謝がよい」という表現のほうが一般の人にはイメージしやすい。

 代謝には基礎代謝、生活活動代謝、食事誘発性熱産生の3種類がある。基礎代謝は終日、1ミリも動かず椅子に座った状態でも消費されるエネルギー。日常生活や運動による消費が生活活動代謝。食事による栄養素が分解・吸収される過程で消費されるのが食事誘発性熱産生。全体の約70%を占める「基礎代謝」を上げることが、太りにくい体への近道だ。

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安住拓哉

安住拓哉

出版社勤務を経て2021年に独立。経済関連記事全般が得意。取材・執筆歴20年以上。雑誌の取材記事の他、単行本のライティングも数多く手掛ける。

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