<現代の肖像>門脇麦 映画という場所を求めていた (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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<現代の肖像>門脇麦 映画という場所を求めていた

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中村千晶AERA#現代の肖像
会うたびに「こんな顔、してたっけ」とハッとさせられる。「自分でも最近、大人の顔になってきたなあと思います」/品田裕美撮影

会うたびに「こんな顔、してたっけ」とハッとさせられる。「自分でも最近、大人の顔になってきたなあと思います」/品田裕美撮影

読書も好きだが実はアウトドア派。山や釣りによく出かける。でも写真は撮らない。「目で見るほうがいい。スマホの中身はほぼ乗換案内と台本の写メです」(門脇)/品田裕美撮影

読書も好きだが実はアウトドア派。山や釣りによく出かける。でも写真は撮らない。「目で見るほうがいい。スマホの中身はほぼ乗換案内と台本の写メです」(門脇)/品田裕美撮影

 門脇演じる駒は、主人公・明智光秀とひょんなことから関わる戦災孤児だ。チーフ・プロデューサーの落合将(51)は最初から門脇を想定していたと話す。17年にドラマ「悦ちゃん」で仕事をして以来、動向が気になって仕方がなかった。

「彼女は役柄によって、全然違う見え方をする。なぜか門脇麦が出ていると、普段はあまり観ない日本映画を観に行っちゃうんです」

 今回取材したクリエーターたちが異口同音に言う言葉だ。「気になって仕方がない」「また一緒に仕事したくなる」、そして「いつも、顔が違う」。

 たしかに門脇には「キメ顔」がない。初めてスクリーンで見たときからずっとそう感じていた。黒目がちの瞳も、予想外に透き通った可愛らしい声も、個性的で強い印象を残すのに、作品によって角度によって顔が違う。実際、左右で顔の骨格が違うのだ、と門脇は笑う。

「自分がこう映りたい、とかがないんです。あんまり鏡も見ない。もちろんコンプレックスはたくさんありますよ。もっと可愛くなんないかなあって。でもバレエをやっていたとき、足の甲が出ていなかったので、出すためにめちゃくちゃ練習したら『足の甲がキレイだね』と褒められるようになった。その経験からも、それはそれ、と思って努力すれば、何かしらカバーされるのは実証済みなんです」

 受け答えは快活で的確。一介の取材記者にも胸襟を開いてくれるような錯覚に陥る。でも人に触れさせない“絶対領域”の強度も人一倍堅そうだ。

「止められるか、俺たちを」の監督・白石和彌(45)は「二重生活」の監督・岸善幸と一晩中「門脇麦のどこがいいのか」を語り合った、と笑う。そんな俳優は、そういるものではない。なぜ、こんなにも彼女に惹(ひ)きつけられるのか。

 門脇は1992年、ニューヨークで生まれた。株関係の仕事をしていた父(56)の転勤のためだ。アウトドア好きの両親は「まっすぐに育つように」との意味を込めて「麦」と名付けた。4年後に弟が生まれるまで、ニューヨークで暮らした。「自分だけ違う色」ということを子どもながらに感じていたという。そしていつも何かに我慢していた。


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