芦田愛菜さんは「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」で若い世代を代表し、しっかりとした言葉で祝辞を述べた/11月9日、東京都千代田区で(写真:宮内庁提供)
芦田愛菜さんは「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」で若い世代を代表し、しっかりとした言葉で祝辞を述べた/11月9日、東京都千代田区で(写真:宮内庁提供)

 令和に入り「愛子天皇待望論」が盛り上がっている。愛子さまへの期待は、どこから来るのか。SNSを中心に話題になったファンタジー小説や、日本のジェンダーギャップ指数から読み解く。AERA 2019年12月30日-2020年1月6日合併号に掲載された記事を紹介する。

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 12月7日の「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」(テレビ朝日)は、芦田愛菜さん(15)のニュース映像から始まった。1カ月前、天皇陛下の即位を祝う「国民祭典」でお祝いを述べる振り袖姿の映像だった。

 芦田さんは、「私も大好きな読書を通じ、知識を得ること(略)が大切であるのではないかと考えるようになりました」と述べていた。サンドウィッチマンの伊達みきおさん(45)が、スタジオで芦田さんにこう言った。

「すごいすごいって知ってたけど、やっぱりすごいんだなー」

 そう、芦田さんはすごい。そこから、愛子さま(18)について書いていく。

 まずは、芦田さんの未来を「日本初の女性首相」と予測した小説を紹介する。タイトルは「AAゴールデンエイジ」、KADOKAWAとはてなが運営する小説投稿サイト「カクヨム」で読める。2019年3月に公開され、SNSを中心に話題になった。冒頭を引用する。

<結局、日本初の女性首相の座を射止めたのは芦田愛菜だった。初の女性であるばかりでなく、憲政史上最年少での就任だった。

 平成が終わり、さらに愛機(ラブマシーン)がわずか12年で終わり、愛子帝の請振(ギミギミシェイク)が始まった。ギミギミシェイク13年、西暦2043年に芦田愛菜は39歳で首相に就任し、現在は3期目の7年目、46歳である(ギミギミシェイク20年、西暦2050年)>

 おわかりいただけると思うが、タイトルの<AA>は<Aiko&Ashida>だ。即位した愛子さまは「帝」と表現される。愛子帝と芦田首相をいただく30年後の日本を描いた、カクヨムの分類によれば「現代ファンタジー」。

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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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