親にスマホやタブレットを! 成功のための10のコツ【1】(AERA 2019年12月30日-2020年1月6日合併号より)※取材をもとに編集部で作成
親にスマホやタブレットを! 成功のための10のコツ【1】(AERA 2019年12月30日-2020年1月6日合併号より)※取材をもとに編集部で作成
親にスマホやタブレットを! 成功のための10のコツ【2】(AERA 2019年12月30日-2020年1月6日合併号より)
親にスマホやタブレットを! 成功のための10のコツ【2】(AERA 2019年12月30日-2020年1月6日合併号より)

 重い荷物を持って腰を痛めていないか。一人で家に閉じこもっていないか。離れて暮らす親への不安を、デジタル機器で解消したい。暮らしを楽にし、生きがいにもつながる。年末年始、実家と親のデジタル化に挑戦しませんか。

【親にスマホやタブレットを! 成功のための10のコツ 続きはこちら】

 AERA 2019年12月30日-2020年1月6日合併号では、実家のデジタル化のメリットとハードルを紹介する。

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 情報技術の発達は私たちの生活を劇的に変えてきた。スマートフォンなどのデジタル機器のおかげで家族や友人とより簡単につながることができるようになり、情報収集の仕方やモノの買い方も変わった。スマホなしには暮らせないという人は少なくない。一方で、取り残されている人たちがいる。シニア世代だ。

 総務省によると、2019年9月現在、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は、4人に1人を超える28.4%。この世代のデジタル機器の活用状況を見てみよう。東京大学大学院の橋元良明教授の研究室が18年に実施した全国調査では、インターネット利用率は60代が92.2%、70代は71.2%だった。

「高齢者の多くがネットを利用していますが、内実を見てみると、主にガラケー(従来型携帯電話)でのメール利用で、スマホの利用はまだまだ途上ですし、メール以外の利用は非常に少ないです」(橋元教授)

 例えばフェイスブックやLINEなどのネット上のコミュニケーションサービス「SNS」の利用率も60代は56%、70代は12%とグッと落ちる。70代のネットショッピング利用は20.3%、ネットバンキング利用は6.6%にとどまり、ネットサービスを享受している人はごく一部だ。

「シニアにこそ、インターネットが必要です」

 と強調するのは、20年間にわたって高齢者にデジタル機器の使い方やインターネットの活用方法を教える一般社団法人アイオーシニアズジャパン代表理事の牧壮(たけし)さん(83)だ。

 足腰が弱ったり、車の運転ができなくなったりしてもネットで買い物ができるし、新聞や本の字が読みづらくなっても電子書籍や電子新聞で文字を拡大できる。一人で暮らす人や高齢者施設に入っている人も、家族や社会とつながることができる。

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