■タチバナ家の「日常」がまた始まった

「また、『あたしンち』を描きませんか」

 そうしたタイミングで声をかけたのが、朝日新聞出版の担当編集者だった。けらさんとこの編集者とは25年前からの付き合いだったが、以前に依頼した企画は実現しなかった。今回、編集者は久しぶりにけらさんに声をかけたのだ。新聞や週刊誌などの紙媒体でカラーの漫画を連載できる機会は非常に限られている。

「紙で、カラーで描ける場所は、なかなかないんです。偶然ですけど、いい場所を与えていただけてよかった」

 けらさんは依頼を快諾し、「AERA」での連載が決まった。再開1回目はタチバナ家の食卓が登場する。「タチバナ家のおかずはいつも少ない」といわれているが、やはり少ないのだろうか。タチバナ家の「日常」が、気になって仕方がない。(朝日新聞出版 アエラ編集部)

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