「悪条件の園に預けてまで職場復帰したくない」 受け皿が増えても保活がラクにならない理由 (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「悪条件の園に預けてまで職場復帰したくない」 受け皿が増えても保活がラクにならない理由

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宮本さおり,大楽眞衣子AERA#出産と子育て
※写真はイメージ(gettyimages)

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 多くの働く親が頭を悩ませる保活。近年は、保活激戦区では保育園の新設が相次いでいるが、保育の“質”を重視すれば希望した園への入園は相変わらず困難な状況だ。AERA 2019年12月23日号の記事では、保活に悩む親たちの声を紹介した。

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 今年9月、厚生労働省は4月1日時点の待機児童数について、1万6772人で過去最少だったと発表した。目標に掲げる20年度末までの「待機児童ゼロ」には程遠い数字だが、保育施設を急ピッチで増設するなど受け皿拡大が影響していることは間違いない。

 だが、いくら保育園が増えたからといってどこでもいいから入りたいというわけではない。

 2歳と3歳の姉妹を育てる女性(37)は、この春から転居予定の横浜市で保活をしている。

「もう少し希望の条件を緩くしませんか」

 申請書類を提出してすぐ、市のコンシェルジュ(相談員)から電話がかかってきた。姉妹別々でもよしとすること、自宅から徒歩圏外の園も希望すること、を提案された。

「うちはワンオペで通園手段は自転車か徒歩。遠い園に姉妹バラバラなんてムチャです。雨の日を想像すると現実的じゃない。第一、バラバラになったら子どもたちが不安になるのでかわいそうです」

 条件は譲れないとキッパリ答えると、相談員は「それでは難しいと思いますよ」と言った。女性は年子で出産したため、これ以上育児休暇は望めず、保育園に落ちた場合は仕事を辞めるしかない。

「相談員にはせっかく続けてきた仕事なのにもったいないですよって言われましたが、保育園に入れないんじゃ無理ですよね。矛盾しています」

 行政側は、待機児童という数字を減らすために、ひたすら受け皿を増やしてきたが、入園する側のニーズは数合わせでは満たされない。横浜市が公表しているデータでは、保育施設を利用する人のうち、3231人が希望通りの保育所を利用できていないと答えている。

 また、今年4月時点の待機児童がゼロだった港区では「特定の保育園等のみ希望している者」として、入園できなかったとしても待機児童にカウントされなかった人数が620人もいた。いわゆる「隠れ待機児童」と言われる数だ。同区では入園申請の際、最大20園まで希望を書けるが、そこまで埋めてくる人は少なくなりつつあるという。


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