同社は8月、氷河期世代の中途採用活動に取り組むことを発表した。人数は1年間で100人、3年間で計300人としている。1990年代後半、同社でも定期採用が少なくなり、現在、社内でもロスジェネ世代がほかの世代より1割ほど少ないという。

 物流と建設工事、プラントメンテナンスなどを主な事業とする同社では、その後事業が急激に拡大し、今は採用難が続いている。青山勝巳人事部長(54)によると、定期の採用では年間800人ほどを目標とし、さらに中途採用でも補う形が続く。ここ4、5年、年間1千人規模の採用を続けている。中途採用の枠はロスジェネ世代も対象とされるが、非正規などで働くこの世代が求人に殺到したわけではなく、これまでの採用では年代構成のアンバランスを解消できなかった。

 今回、あらためて取り組みを表明したのは、年齢制限をつけた求人ができるようになったのが大きいという。マッチングの問題は残るが、効果も期待する。10月末までに4人を採用した。

「景気が悪い時期に学校を出ただけで、実際に働いている人たちをみていると、離職率も低いし、戦力としてとても期待している世代だ」(青山部長)

 内閣府では、こうした民間の求人を増やすよう経済団体などに働きかけを続けている。ただ、現段階では、どこまで求人があるかは未知数だ。(編集部・小田健司)

【就活で70社に落ち摂食障害、うつ病、ひきこもりに… 43歳ロスジェネ男性を襲った現実】へつづく

AERA 2019年12月23日号