剛:当日は天候が不安定だったんですよ。でも、光一くんがコンタクトレンズを洗いに現場を離れたときだけ、めっちゃ晴れました。

 新曲を携えて、今月14日からは、いよいよドームコンサートが始まる。今年で21回目となるが、昨年は突発性難聴を患う剛の病状を考慮して休演となった。それから1年、どうすれば「今の自分たち」のベストなステージをファンに見せられるのか、2人は模索を続けてきた。

剛:2年ぶりのステージですからね。耳は、今も治ってはいません。僕自身も病状を完全にコントロールする術もなく、正直、当日にステージで音を出してみないとわからない部分がとても多いです。実は、昨年も僕は「ライブをやりたい」と言ったんですけど、事務所の総合的な判断で休演が決まった。今の状態でのライブの経験があるのとないのとでは対策も変わりますが、最善を尽くすのみです。

光一:剛の耳のことは、本人以外誰にもわからないことなので、僕も剛もスタッフも、全員が歩み寄らないとライブの実現は難しい。1年間様子をみて、今年復活することになりましたけど、これまでと同じようなパフォーマンスができるか、正直わからない部分もあります。

 一方で「トークだけやればいい」という意見もあるけど、せっかく楽しみに観に来てくださるファンの方に、中途半端なものは見せたくないという気持ちも強い。だから、「僕らが今できるベスト」を話し合いながら形にしていく作業を進めています。

剛:ドームコンサートは、デビュー以来ずっとやってきたことですし、やはりステージには立ちたいですよ。お医者さんも一切耳を使わないのはよくない、と。ただ、コンサートの音量は日常生活のはるか上ですから、難しいことばかりです。

 音楽をやる中で生じる苦労や苦悩は、僕は嫌いではないんです。生活の大半が音楽で占められてますから。音楽が好きでなければ、昨年のライブがなくなったときも、「休むことも大切だー」って思ってたと思います。

(ライター・澤田憲 編集部・塩見圭)

AERA 2019年12月9日号より抜粋