竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
苺ショートのCUPKE。仕事の合間に英気を養ってもらえたら、と思っています
苺ショートのCUPKE。仕事の合間に英気を養ってもらえたら、と思っています

「コンビニ百里の道をゆく」は、50歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

【写真】「オフィスでも食べやすく」という思いから誕生した「CUPKE」

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 商品を開発するときに、お客さまが商品を召し上がったり使ったりするシチュエーションを想像することを大事にしています。食べる場所が外か自宅かによって、商品の食べやすさも変わってきます。

 例えば、トルティーヤなどのワンハンド商品は、「仕事中のデスクや勉強しながらでも食べていただけるものを」と考えて、生まれたものです。

 お客さまの気付きや、不便を解消したいという気持ちにアイデアが重なって形になる商品もあります。最近では、オフィスで食べやすいスイーツを作りました。

 ショートケーキはスイーツの定番ですが、セロハンを外して、フォークをざくっと刺して……となるとオフィスなどの人前では食べづらい。それならカップに入れてしまおう!という発想が「CUPKE」誕生のきっかけです。

 専門店のような高品質の商品を手軽に食べられる価格に、と頑張りました。CUPKEの値段は200円台後半から300円台前半と、コンビニスイーツとしては高めですが、しっかりとした価値を感じていただけるよう作り込みました。幸い好評価を頂き、素直にうれしく思っています。

「ローソンの作るものなら間違いない」とお客さまに思っていただけるよう、これからも美味しさと手軽さの「価値の両立」を目指していきます。

 コンビニスイーツを飛び越えた驚きを届けたい。そんな思いで日々試行錯誤を繰り返している開発チームの想いがこもったCUPKEは、持ち運びもしやすいと、手土産としてご購入いただくことも多いようです。

 味は定番の苺ショートやティラミスのほか、12月3日からチョコレートとモンブランの新作を発売します。

 バスチーのような一風変わった商品もあれば、昔ながらの安心感があるものにもローソンならではの価値を乗せて提供したいと思っています。

AERA 2019年12月9日号

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竹増貞信

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竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

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