高級ブランド「金華サバ」の握り寿司
高級ブランド「金華サバ」の握り寿司
番組で一流職人からダメ出しを受けた肉厚トロ〆サバ
番組で一流職人からダメ出しを受けた肉厚トロ〆サバ

 早いもので、今年も残り1カ月となりました。

【ダメ出しを受けた肉厚とろ〆サバのお寿司はこちら】

 この時期に旬を迎える魚は多いのですが、その中でも今日は皆さんもよくご存じの「サバ」を紹介したいと思います。サバはアジやイワシと並んで、我々日本人にとって最もポピュラーな魚のひとつではないでしょうか。

 太平洋側、日本海側を問わずほぼ日本全国で取れます。日本近海でよく取れるのは、真サバとごまサバです。

 サバは脂質に富んでいて脂の乗りがいいだけではなく、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やすEPAやDHAを非常に多く含んでいます。

 動脈硬化の予防や脳卒中、高血圧などの生活習慣病から身を守ってくれるとの期待から、昨年から今年にかけてサバ缶の人気が急上昇していますよね。ぐるなび総研が選ぶ今年の一皿にも、昨年は「サバ」が選ばれました。

 このように庶民の味として広く親しまれ、ポピュラーなサバですが、差別化をはかることを目的にした、非常に高価な「ブランドサバ」も日本中に数多く存在します。特に有名なのは、「金華サバ」と「関サバ」ではないでしょうか。

「金華サバ」は、宮城県の三陸沖で取れ、石巻漁港に水揚げされるサバの中でも、旬の時期に取れた50センチ以上の大型で脂の乗ったサバに冠せられるブランドです。

 三陸沖は親潮と黒潮がぶつかり、魚たちのエサとなるプランクトンが非常に豊富なことから、昔から非常に豊かな漁場として有名です。その中でも、宮城県の金華山沖は特に餌が豊富とされており、「金華サバ」はそうした恵まれた環境で、餌を十分に食べて育ったサバです。

 大きいものは、東京では1匹2万円以上の高値が付くこともある超高級なサバなんです。

 一方の「関サバ」は、大分県の佐賀関沖の「速吸の瀬戸(はやすいのせと)」と呼ばれる、豊後水道の中でも特に潮の流れのはやい海域で取れ、佐賀関に水揚げされたサバのブランドです。

 黒潮と瀬戸内海の潮がぶつかって餌が豊富で、速い潮流の中を泳ぎ回っているため、身もよく締まっている、食べ応えと旨さのバランスが特徴です。さらに関サバは、一本釣りにこだわり、売買の方法も魚が傷むのを避けるために、「面買い(つらかい)」と呼ばれる、水中を泳いでいる魚を上から見て大きさと値段を決める方法を行うなど、非常に強いこだわりでブランドを守っています。

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岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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首折れサバ!?