左からボビー(Bobby Berk)、カラモ(Karamo Brown)、ジョナサン(Jonathan Van Ness)、日本のガイド役を務める水原希子、アントニ(Antoni Porowski)、タン(Tan France)。2018年に始まったNetflixオリジナルシリーズ「クィア・アイ」4シーズン(各8話)と、日本が舞台の「クィア・アイ in Japan!」は動画配信サービスNetflixで独占配信中
左からボビー(Bobby Berk)、カラモ(Karamo Brown)、ジョナサン(Jonathan Van Ness)、日本のガイド役を務める水原希子、アントニ(Antoni Porowski)、タン(Tan France)。2018年に始まったNetflixオリジナルシリーズ「クィア・アイ」4シーズン(各8話)と、日本が舞台の「クィア・アイ in Japan!」は動画配信サービスNetflixで独占配信中

 人気沸騰の配信番組「クィア・アイ」。ほめて、気遣って、共感して。悩みを抱える依頼人の心を開き、外見も内面も改造してしまう5人の卓越した言語力と人間力が際立つ。AERA 2019年12月2日号では、彼らから学ぶべき英語とマインドを紹介する。

【ほめ表現はシンプルでOK!イラストはこちら】

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 ご存じない方のためにまずは説明しよう。「クィア・アイ」(QE)はNetflix(ネットフリックス)の人気リアリティー番組で、出演メンバーはFab5(ファブ・ファイブ)と呼ばれるゲイの5人だ。11月から配信中の日本を舞台に制作された特別編では、モデルで俳優の水原希子(29)がガイド役を務め、渡辺直美がスペシャルゲストとして登場した。

 QEは悩める「一般人」のいわゆるビフォーアフターを見せる改造番組で、5人はファッションやインテリアなどそれぞれの担当分野を持つ。「外見も内面もステキに改造」という副題の通り依頼人たちの輝きを取り戻していく。

 2018、19年と連続でエミー賞を獲得し、メンバーのインスタグラムはフォロワー400万超。SNSには「涙腺が崩壊」「私も改造してほしい」「最高すぎる」などのコメントが並び、どハマりする人が続出している。なぜこんなにも全世界で絶賛されているのか。

「彼らがやっていることは、コーチングであり、セラピー」と見るのは、海外ドラマに詳しいジャーナリストの鈴木あかねさん。

 依頼人の心を開き、自分自身と向き合う手助けをする。その意味では、これまでの改造番組と一線を画している。

 リアリティー番組なので、大枠の設定はあるにせよ、台本はない。彼らが喋っているのは、目の前の依頼人と向き合って出てくるリアルな言葉だ。

 ゲイという立場で時に偏見と闘ってきた体験を持つ彼らが、本気で相手を理解し思いを伝えようとする言葉。その本物の言葉たちが、依頼人に内面の変化をもたらしていく。

 前置きが長くなったが、この特集では、彼らの英語から思いのこもった言葉を紡ぐヒントを伝える。

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